- Miyoko Shimura
テクノロジースカラシップに合格した専業主婦の話
約10倍の倍率の選考を突破して、ドイツの多国籍メディア企業ベルテルスマンからテクノロジー奨学金を支給してもらえることになりました。
世界中の190の国々から47,300人の応募がありました。一次審査で15,000人まで絞り込みを行い、2ヶ月間のチャレンジコースでの最終選考を経て奨学生が1,600人選出されました。
奨学生にはアメリカのラーニングプラットフォームUdacityのNanodegreeコースが無償で提供されます。(データ、AI、クラウドの3分野で合計1,600人)
私はデータ分野で、Business Analytics Nanodegreeプログラムにてデータの収集と分析、ビジネスシナリオのモデル化、および SQL・Tableau を使ったステークホルダーとのコミュニケーションを約半年間学びます。そしてプロジェクトを4件提出して修了となります。

私の状況ですが、現在は2か国目の駐在帯同中です。(ドイツ→イギリス) 30代半ばで海外駐在妻&専業主婦歴は合計7年目となります。
コロナ禍の外国でロックダウンなど大きな環境変化を経験した2人の子を支えるために、エンジニアとしてのお仕事を休職させて頂いているのですが、恵まれた時間を頂いたことに感謝しています。子どもと向き合える時間も私の宝物です。
そんな中、空いた時間でアメリカの大学University of the Peopleにオンラインで通っています。(なんと非営利で年間授業料10万円台。国立高専より安い)
技術者の世界で仕事を中断していてもちゃんと時流についていけるだろうか?と考えたことがあります。
ですが、あまり悲観的にも楽観的にもならないようにしています。
ただただ、目の前に吹く風の方向を知りたいと考えているのです。
それが風なのか、川の流れなのか、炎の揺らぎなのかは時によって異なります。目の前で社会や時代のゆらぎをつくりだしつつあるものを観察しています。

改めて振り返ると、人生の中で落ちた試験や失敗は山のようにあります。
今は主婦だけに特に失うものもないので吹っ切れていて、20回応募して1回成功すればそれでいいんだという気持ちです。
私はもともと怖がりで小心者の完璧主義者なので、小さい頃から勝ちの見込みのある挑戦だけしかしてこなかったのです。それが吹っ切れたきっかけは、イギリスで沢山の落選を経験したことです。
一番大きな衝撃だったのは、ボランティア活動の選考に落ちたことです。
とある国際機関でのドキュメントやウェブサイトの日英翻訳のボランティアワークに応募したのですが、連絡すら来ず落選を悟りました。
ヨーロッパでは人気の機関でのボランティアは将来の有望なキャリアに直接つながるそうで、競争率が何百倍ということもあると知りました。
日本人が一般的に考えるボランティアとは、ゴミ拾いや緑化などキャリアとあまり関係のないお仕事が多いかもしれません。
アピールで目立たなければ、無償の仕事すら自分の前には回ってこないことを知りました。
ほかにも、2021年はスカラシップに複数回落選しました。スカラシップについては主催側の思惑や国籍、人種間のバランス、経歴も関係しており自分の能力以外のファクターにも大きく左右されます。
その「神のみぞ知る」ファクターのことを考えると、場所やタイミングが合わなかったと思えるようになりました。
くよくよしている時間とエネルギーをセーブして、すぐに頭を切り替えて次の挑戦に乗り出さなければいけないのです。
専業主婦・主夫でブランクがある方のキャリア再構築については悩まれている方が沢山いらっしゃると思います。
今、自分の人生が自分以外の理由で一時的に思い通りにいかず悩んでいる方も、未来の可能性や楽しさを諦めずに居てほしいなと思うのです。
イギリスからこのようにSNSやブログで発信をしていますけれど、何のために?と自分でも自問自答をすることがあります。
でも言葉が出てくるのです。
これを読んでいるあなたの人生と、私の人生は違います。どう影響が及ぶかは計り知れません。蝶々のひとつの羽ばたきが、世界の何かの事象に影響を与えるように。
他人と同じ人生をなぞることが出来ませんが、同じ瞬間をなぞることは出来ます。
私や誰かのいつかの言葉が深層心理のはざまにしまい込まれて、100万人に1人の人生や意思決定に少し有益なことがあれば十分嬉しい。
そんな気持ちです。
人生はきっと長いと思いますので、#一生をかけてバランスをとるのも良いことです。
愛読している本の著者である薄井シンシアさんが使っていらっしゃるハッシュタグです。2017年に薄井シンシア Cynthia Usui さんの本に出会ったから私の今があります。
いろんな事象に関して、時間の軸と場所の軸を、今この瞬間からずらして考えてみると、もっと人生が柔軟になりそうな気がしています。
今すぐ自分の目の前ですべての希望条件が満たされなくて、自分が不幸に思える瞬間があるかもしれません。
でも未来の思いがけないタイミングで夢だったものが飛び込んでくることだってあるのです。
意識と無意識のはざまで、心の準備だけはゆったりとできたら良いなと思うのです。

専業主婦が就職するまでにやっておくべき8つのこと | 薄井 シンシア | ビジネス・経済 | Kindleストア | Amazon
Miyoko Shimura | 志村 美代子
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