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  • Miyoko Shimura

炎と1/fのゆらぎ



ブログのトップ画は夕暮れ時に炎を灯している動画*です。


北半球で一番冬が長い頃にホームページを作ったことを思い出しました。

爽やかな真夏に作業していたら、突き抜けるように晴れた青空や海だったかもしれません。


* 2023年にサイトのデザインを変更したため以前の画像を掲載しました。


 

北ヨーロッパの冬は暗く長く寂しいです。



特に緯度の高いイギリスの場合は、真冬は昼の3時台から真っ暗になっていきます。


曇天の下、冷たい空気を吸い込みながら家路を急ぐ瞬間、家々に灯った明りやキャンドルの炎にふとした温かさを感じます。



長い闇につながる夕暮れの心細さと、明かりがもたらす安心感のコントラストが強く感じられます。


冬でも晴天の続く太平洋側の日本では感じられにくいメランコリー。


ドイツとイギリスで暮らしたことがあるのですが、ドイツ人はイギリス人よりもキャンドルを頻繁に灯していた記憶があります。


レストランに入ると、店員さんがオーダーをとる前にまずはキャンドルを灯してくれます。


家でもキャンドルを灯し、あたたかに揺れる間接照明の下で、読書をする時間が厳しい冬のささやかな楽しみなのでした。




北欧にはヒュッゲという言葉があります。デンマーク語で「居心地がいい時間や空間」という意味です。[1]


デンマークとドイツは近いだけに、文化的なコンテクストをより濃厚に共有しているのだろうと思います。



少々前の話ですが、2016年にイギリスにヒュッゲブームが訪れたそうです。


「ブレグジット(イギリスのEU離脱)」や「トランピズム(トランプ主義)」と一緒に、「ヒュッゲ」は2016年に最も話題になった単語トップ10に含められています。[1]


2020年代初頭の国家の空気感を形づくる言葉たちと一緒にランクインしているのは非常に興味深いです。



2014年にアラバマ大学の研究者が、ジャーナル『Evolutionary Psychology』の中で、現代人が火に対してリラックス反応を示すのは人類の進化の過程で得られた成果だと述べました。[2]


感覚条件を変化させた研究の過程にて、人間が火を見つめることに関連した血圧の有意な低下が確認されています。[2]


In the course of three studies with varying sensory conditions, I found significant reductions in blood pressure associated with fire with a naturalistic auditory component, confirming commonly perceived relaxation effects of hearth and campfires (Lynn, C. D, 2014).

ディスプレイ中の炎が人間にもたらすリラックス効果については私はまだ良い文献が見つけられていません。経験的には、効果があるだろうと信じているのですが。



なにか考え事をしているときに揺れる炎をぼーっと見つめると、ちょっとした突破口が見つかったりします。


でも、見つからなかったりもします。


すぐに見つかる答えが良い答えとも限りませんから、それでもよいのです。


そんな揺らぎも、人生にあっても良いと思うのです。


たまにはホームページのゆらゆらしている炎を見るために、遊びに来てみてください。




Reference

[1] 東洋経済ONLINE. (2017, January 11). 日本にもくる?欧米でブーム「ヒュッゲ」とは|デンマーク流の癒やし時間に皆夢中 https://toyokeizai.net/articles/-/152780


[2] Lynn C. D. (2014). Hearth and campfire influences on arterial blood pressure: defraying the costs of the social brain through fireside relaxation. Evolutionary psychology : an international journal of evolutionary approaches to psychology and behavior, 12(5), 983–1003. https://journals.sagepub.com/doi/pdf/10.1177/147470491401200509



Miyoko Shimura | 志村 美代子

LinkedIn: @miyoko-shimura




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